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B型肝炎

肝移植について

B型肝炎など慢性の肝臓病が悪化し、肝臓の細胞が硬くなり働かなくなる(肝硬変、肝不全)など重症の肝臓病の治療の一つとして肝移植が行われています。

―肝臓が悪くなると現れる症状

初期には自覚症状がほとんどありませんが、重症になると黄疸腹水意識障害などが現れます。

図:肝臓が悪くなると現れる症状

―肝移植

図:肝移植 肝臓移植を受ける人をレシピエントといいます。肝臓を提供する人をドナーといいます。

B型肝炎について

B型肝炎ウイルスによって起こる肝炎で、B型肝炎ウイルスに汚染された血液などによって感染します。ほとんどが一過性で治癒しますが、慢性肝炎になり肝硬変などになることもあります。

B型肝炎が発症するしくみ

―B型肝炎ウイルスに感染すると、どうして肝臓の動きが悪くなるのでしょうか?

B型肝炎ウイルス自体が肝臓を破壊するわけではありません。
ウイルスが肝臓内で増殖しはじめると、これを排除しようとする働きが体の中で起こります(免疫反応)。その時、ウイルスとともに肝臓の細胞も破壊されてしまい肝臓の働きが悪くなります。

―B型肝炎ウイルスについての血液検査

血液検査により、B型肝炎ウイルスに感染しているか、以前に感染していたかなどがわかります。

HBs(エイチビーエス)抗原検査

血液検査で陽性になると、現在B型肝炎ウイルスに感染していることを示しています。

HBc(エイチビーシー)抗体検査

血液検査で陽性になると、以前にB型肝炎ウイルスに感染したことがあるが、
現在のウイルス量はごく微量になって治癒していることを示しています
(高感度の検査によってB型肝炎ウイルスが検出されることがあります)。

図:抗原と抗体による免疫反応について

抗原と抗体による免疫反応について

私たちの体には、体の中に浸入してきたウイルスなどを攻撃し排除しようとする仕組み(免疫)が備わっています。

抗原

ウイルスなど、体の中に侵入して体に害を及ぼす異物。

抗体

体の中に侵入したウイルスなど(抗原)を攻撃して排除するもので、免疫グロブリンとも呼ばれます。

移植後にB型肝炎になるのはどのような場合ですか?

次の場合、肝移植後にB型肝炎・肝硬変が発症する可能性があります。

肝移植を受ける患者さんが現在、B型肝炎ウイルスに感染している場合
(HBs抗原陽性のレシピエント)

図:肝移植を受ける患者さんが現在、B型肝炎ウイルスに感染している場合
  • 悪い肝臓をすべて取り除いても、体の中のどこかにB型肝炎ウイルスが潜んでいる。
  • 手術や薬によって免疫が抑えられると、肝臓以外のところに潜んでいたB型肝炎・肝硬変ウイルスが増殖し、新しい肝臓内に入り込みB型肝炎が再発する。

肝臓を提供する人がB型肝炎ウイルスに感染したことがあるが治癒している場合
(HBc抗体陽性のドナー)

図:肝臓を提供する人がB型肝炎ウイルスに感染したことがあるが治癒している場合
  • ドナーの肝臓の中のB型肝炎ウイルスは、ドナーの免疫によりほとんど活動していな い。
  • レシピエントはB型肝炎ではないので、レシピエントの体の中にはB型肝炎ウイルスはいない。
  • 手術や薬によって免疫が抑えられると、休眠状態であったB型肝炎ウイルスが再び活動し始め増殖し、B型肝炎・肝硬変が発症する。

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