自己免疫疾患
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シリーズ 自己免疫疾患をより良く理解するための免疫学
自己免疫疾患に携わるエキスパートより、免疫学についてご説明いただきました。

自然免疫系の過剰な反応の結果生じる病気が自己炎症性疾患ならば、自己免疫疾患は獲得免疫系の異常の結果引き起こされる疾患である。・・・

自己炎症性症候群(autoinflammatory syndrome)は自己免疫疾患と名前が類似しているものの、まったく異なった疾患概念であり、この疾患やその病態を知ることは非常に重要である。・・・

アレルギーとは免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こる反応の総称であり、それを誘導する抗原をアレルゲンと呼ぶ。アレルギー反応はIgEの関係するI型アレルギーから、感作されたT細胞の関与するIV型アレルギーまで知られている。・・・

樹状細胞は1973年に米国のRalf Steinmanらにより発見され(1)、Steinmanはその業績で2011年ノーベル医学生理学賞を受賞した。外来から侵入してきた細菌やウイルスなどを取り込んだ樹状細胞がリンパ管を通り、所属リンパ節へと移動していく。・・・

我々の体は上皮(皮膚、消化管上皮、気道上皮など)に覆われており、さらに皮膚は厚い角化層、消化管や気道の上皮は消化管粘液や気道粘液などに覆われている。・・・

T細胞が中心的な役割を果たす細胞性免疫に対して、B細胞は抗体を産生し液性免疫に中心的な役割を果たす。またB細胞はT細胞に抗原を提示する細胞としても知られている。・・・

これまでの連載で述べてきたように、胸腺で分化成熟し抗原と一度も遭遇したことのない未熟なT細胞(ナイーブT細胞)は、リンパ節内で抗原を提示した樹状細胞と遭遇することにより活性化される。・・・

MHC分子を説明するにあたり、おそらく大部分の人は、MHCクラスI分子とクラスII分子の構造の違いやペプチド収容溝に結合するペプチドの性質などを最初に説明されると、アレルギー反応を起こしてしまい、それ以上文章を読み進める気を失ってしまう可能性が高い。・・・

胸腺は胸骨の裏側で心臓の上に位置し、T細胞が分化成熟するために必須の臓器である。骨髄から移入してきた多分化能を有する幹細胞は胸腺内の微小環境で成熟し、T細胞へと分化をとげ最終的には末梢へと出ていき、二次リンパ組織や炎症の局所において機能を発揮する。・・・

我々の免疫系は、外来から侵入してくるすべての異物に反応できるように巧妙なシステムを進化の過程で構築し発展してきた。本連載では、これらの巧妙な免疫系のシステムについて説明していく予定である。・・・

ほ乳類は進化の過程でrecombination activation gene (RAG)1/2と呼ばれる遺伝子を利用し、外から侵入してくる異物を排除するために遺伝子組み換えにより膨大な数の異なる種類のT細胞受容体や免疫グロブリン(抗体)を産生することに成功した。・・・