疾患別投与量(電子化された添付文書より抜粋)
用法及び用量
本剤は効能・効果に応じて以下のとおり投与する。なお、直接静注する場合は,きわめて緩徐に行うこと。
- 低並びに無ガンマグロブリン血症:
通常、1回人免疫グロブリンGとして200~600mg/kg体重を3~4週間隔で点滴静注又は直接静注する。患者の状態によって適宜増減する。
- 重症感染症における抗生物質との併用:
通常、成人に対しては、1回人免疫グロブリンGとして2,500~5,000mgを,小児に対しては,1回人免疫グロブリンGとして100~150mg/kg体重を点滴静注又は直接静注する。症状によって適宜増量する。
- 特発性血小板減少性紫斑病:
通常1日に、人免疫グロブリンGとして200~400mg/kg体重を点滴静注又は直接静注する。なお、5日間使用しても症状に改善が認められない場合は、以降の投与を中止すること。年齢及び症状に応じて適宜増減する。
- 川崎病の急性期:
通常、人免疫グロブリンGとして1日に400mg/kg体重を5日間点滴静注又は直接静注、若しくは人免疫グロブリンGとして2,000mg/kg体重を1回点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。
- 多発性筋炎・皮膚筋炎における筋力低下の改善(ステロイド剤が効果不十分な場合に限る):
通常、成人には1日に人免疫グロブリンGとして400mg/kg体重を5日間点滴静注する。
- 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の筋力低下の改善:
通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg/kg体重を5日間連日点滴静注又は直接静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。
- 慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合):
通常、人免疫グロブリンGとして「1,000mg/kg体重を1日」又は「500mg/kg体重を2日間連日」を3週間隔で点滴静注する。
- 全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る):
通常、成人には1日に人免疫グロブリンGとして400mg/kg体重を5日間点滴静注する。
- 天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合):
通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg/kg体重を5日間連日点滴静注する。なお、年齢及び症状に応じて適宜減量する。
- 血清IgG2値の低下を伴う、肺炎球菌又はインフルエンザ菌を起炎菌とする急性中耳炎、急性気管支炎又は肺炎の発症抑制(ワクチン接種による予防及び他の適切な治療を行っても十分な効果が得られず、発症を繰り返す場合に限る):
人免疫グロブリンGとして初回は300mg/kg体重、2回目以降は200mg/kg体重を投与する。投与間隔は、通常、4週間とする。
- 水疱性類天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合):
通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg/kg体重を5日間連日点滴静注する。
- ギラン・バレー症候群(急性増悪期で歩行困難な重症例):
通常、1日に人免疫グロブリンGとして400mg/kg体重を5日間連日点滴静注する。
- 抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作:
通常、人免疫グロブリンGとして、1日あたり1,000mg(10mL)/kg体重を点滴静注する。ただし、患者の年齢及び状態に応じて適宜減量する。なお、総投与量は4,000mg(40mL)/kg体重を超えないこと。
- 臓器移植における抗体関連型拒絶反応の治療:
通常、人免疫グロブリンGとして、1日あたり1回1,000mg(10mL)/kg体重を2回点滴静注する。ただし、患者の年齢及び状態に応じて適宜減量する。なお、必要に応じて追加投与する。(本効能又は効果は、献血ヴェノグロブリンIH10%静注のみ有しており、5%静注は有していない)
用法及び用量に関連する注意
- (1)急速に注射すると血圧降下を起こす可能性がある(低・無ガンマグロブリン血症の患者には注意すること)。
- (2)投与速度:ショック等の副作用は初日の投与開始1時間以内、また投与速度を上げた際に起こる可能性があるので、これらの時間帯については特に注意すること。
①初日の投与開始から1時間は0.01mL/kg/分で投与し、副作用等の異常所見が認められなければ、徐々に速度を上げてもよい。
ただし、0.06mL/kg/分を超えないこと。
2日目以降は、前日に耐容した速度で投与することができる。
②川崎病の患者に対し、2,000mg(20mL)/kgを1回で投与する場合は、基本的には①の投与速度を遵守することとするが、急激な循環血液量の増大に注意し、6時間以上かけて点滴静注すること。
- (3)低並びに無ガンマグロブリン血症の用法・用量は、血清IgGトラフ値を参考に、基礎疾患や感染症などの臨床症状に応じて、投与量、投与間隔を調節する必要があることを考慮すること。
- (4)多発性筋炎・皮膚筋炎における筋力低下の治療及び全身型重症筋無力症の治療において、少なくとも本剤投与後4週間は本剤の再投与を行わないこと(4週間以内に再投与した場合の有効性及び安全性は検討されていない)
- (5)慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(多巣性運動ニューロパチーを含む)における筋力低下の改善は、本剤投与終了1ヵ月後に認められることがあるので、投与後の経過を十分に観察し、本剤投与終了後1ヵ月間においては本剤の追加投与は行わないこと。
- (6)天疱瘡及び水疱性類天疱瘡における症状の改善は、本剤投与終了4週後までに認められることがあるので、投与後の経過を十分に観察し、本剤投与終了後4週間においては本剤の追加投与は行わないこと。
- (7)抗ドナー抗体陽性腎移植における術前脱感作:本剤は投与開始から7日間以内を目安に投与を完了するが、患者の年齢及び状態に応じて適宜調節すること。
- (8)臓器移植における抗体関連型拒絶反応の治療:本剤は投与開始から10日間以内を目安に2 回の投与を完了するが、患者の年齢及び状態に応じて適宜調節すること。(本効能又は効果は、献血ヴェノグロブリンIH10%静注のみ有しており、5%静注は有していない)
- (9)血清IgG2値の低下を伴う、肺炎球菌又はインフルエンザ菌を起炎菌とする急性中耳炎、急性気管支炎又は肺炎の発症抑制に用いる場合は、本剤の投与は6回を目安とすること。なお、投与を再開する場合には、対象患者の条件(「効能・効果に関連する使用上の注意」の項参照)への適合を再度確認し、本剤投与の要否を判断すること。
投与シミュレーターに戻る