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血漿たん白の生理作用

1. 血清アルブミン 28) 29) 30)

合成部位 肝臓
分子量 66,500
半減期 17〜23日

アルブミン(albumin)は広く動植物に分布する単純たん白質で、その名称はラテン語のalbumen(卵白の意)に由来しており、たん白質もまた、卵白を意味する中国語のたん白に由来しています。血漿たん白の約6割を占め、最も多量に含まれる成分です。アルブミン総量の約60%は血管外に分布し、血漿中に約40%が循環しています。

生理作用

血清アルブミンの体内における役割は、血液の膠質浸透圧を調節することと、種々の物質と結合してそれらをそれぞれの目的の場所へ運搬することです。

① 血液の膠質浸透圧の維持

アルブミンは血漿たん白中、最も多量に存在し、かつ比較的低分子量のために分子数が多く、血液の膠質浸透圧に及ぼす影響は大きくなります。

血液の全膠質浸透圧の約80%を担い、水分を保持する(1gのアルブミンは約20mLの水分を保持する)ことにより循環血液量を調節します。

アルブミンの投与により過剰な組織中の体液を血管中に吸引し、その結果循環血液量を正常化します。

② 種々のイオンあるいは化合物との結合、運搬

アルブミンはそれ自体陰イオンとして体液中に存在していますが、その豊富な陰性荷電にもかかわらず、種々の陽イオンはもちろん陰イオンとも可逆的に結合します。

臨床的に重要なのは、Ca2+、Cu2+、Zn2+等の微量元素、各種の薬物、色素、脂肪酸、酵素、ホルモン等との結合であり、アルブミンの多様な結合性(非特異的結合)は、血液の酸・塩基平衡の維持、毒物の中和、種々の物質の運搬に役立っています。

■日本血液製剤機構製品

アルブミン
[ 献血アルブミン 5%静注「JB」、献血アルブミン 20%静注「JB」、献血アルブミン 25%静注「ベネシス」、赤十字アルブミン 25%静注 ]

詳細は電子化された添付文書を参照するとともに電子化された添付文書の改訂にご留意ください。

審J2312179
参考文献
  • 28)
    河合 忠著:血漿蛋白 その基礎と臨床、医学書院、1977年
  • 29)
    渡邊 明治編著:臨床アルブミン学、メディカルレビュー社、1999年
  • 30)
    「血液製剤の使用指針」の改定について、薬生発0331第15号 厚生労働省医薬・生活衛生局、2017年

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