現在、我が国の献血採血は、日本赤十字社により実施されています。
その限られた献血の有効利用と国内自給(100%)を目指し、各社は血漿分画製剤の供給を行っています。
日本血液製剤機構の献血由来血漿分画製剤の原料は、日本赤十字社より供給されています。
日本赤十字社では、無償、かつ善意に基づく献血により血液を確保しています。
献血時の対策
① 献血受付(本人確認)
身分証明書等の提示をお願いし、本人確認を実施しています。
② 問診 13)、採血
医師による問診
問診は、献血いただく方の健康を守るために、そして血液を必要としている患者さんをウイルスなどの感染から守るために実施しています。
マラリア、梅毒、麻疹、ムンプス、風疹、HAV、HBV、HCV、ヒトパルボウイルス B19、EBV、HIV、WNV、ジカウイルス、バベシア症、シャーガス病、リーシュマニア症、アフリカトリパノソーマ症、異常プリオンなどのリスクを排除しています。
HIV 対策
CJD 対策
ウエストナイルウイルス等輸入感染症対策
海外からのすべての帰国(入国)者からの採血禁止期間を4週間とする
初流血除去
献血の針を刺した直後に流出する血液(初流血)には、皮膚表面の消毒だけでは消毒しきれない皮膚の毛穴(毛嚢)の中にいる細菌が混入する恐れがあるため、初流血の25mLは輸血や血漿分画製剤の製造に使用せず、検査用や保管用血液として活用しています。
献血後情報と自己申告制度
献血時の検診の際、献血者はHIV感染リスクに関する事項を確認されますが、献血時に申告できなかった場合、あるいは問診事項の回答を修正する必要があると献血者が献血後に考えた場合、当日中に血液センターへ連絡する制度です。
献血後の対策 12)
③ 抗原・抗体検査等
④ 核酸増幅検査(NAT)
■HIV-RNA、HBV-DNA、HCV-RNA、HEV-RNA
核酸増幅検査(NAT)によるウイルス遺伝子の確認
献血者血液サンプルについて、HIV、HBV、HCV、HEVのNATを実施し、陰性が確認された血漿のみを原料として使用しています。
この試験は抗原抗体スクリーニングにおけるウインドウピリオド(検査で確認できない空白期間)の短縮を目的として導入しています。
⑤ その他の対策
保存前白血球除去
保存前に白血球を除去し、白血球に起因する発熱反応や感染症等の副作用を減少させることを目的としています。
原料血漿の貯留保管
原料血漿を一定期間保管することにより、その間の献血者等からの情報や感染症情報など、品質・安全性において問題となる情報がある場合には、その特定血漿を排除することが可能となる安全対策です。
また同時に、献血由来血漿分画製剤の突発的な不足が生じたとき緊急に製造できるよう、安定供給にも機能しています。
献血者情報の全国一元化
どこの血液センターにおいても献血者の履歴を全国的に参照できるコンピューターシステムで、HIVやCJD等についての遡及調査、献血後情報や輸血後情報等に対応できるようになっています。
献血検体保管
日本赤十字社では、万一、輸血後情報等により遡及調査が必要な場合でも確実で迅速な対応が図れるよう全ての献血血液の検体を保管しています(11年間)。
以上の基準をクリアした献血者由来の原料血漿には次のようなものがあります。
献血由来原料
製造工程
⑥ 原料プール血漿(抗原・抗体検査、核酸増幅検査)
HBs抗原、抗HCV抗体、抗HTLV-1抗体、抗HIV-1/2抗体、HIV-RNA、HBV-DNA、HCV-RNA、HAV-RNA*、HEV-RNA*、ヒトパルボウイルスB19ーDNA*
※血液凝固因子製剤用の一部の血漿について実施
⑦ 血漿たん白の分離精製 ウイルス不活化・除去対策
エタノール分画、各種クロマトグラフィー、PEG分画、SD処理
加熱処理(液状・乾燥)、ウイルス除去膜処理、低pH液状インキュベーション処理
(ウイルスクリアランス試験)
最終製品【確認試験】
⑧ 製品試験(核酸増幅検査)
HIV-RNA、HBV-DNA、HCV-RNA、HAV-RNA、HEV-RNA、ヒトパルボウイルスB19-DNA
⑨ 国家検定(一部の製品を除く)
⑩ 製造販売後調査
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